ミラーショックについて
三脚を使用して手ブレしないように撮影しても、少しブレたような写真になってしまうことがあります。
このブレる現象を「ミラーショック」(「シャッターショック」)といいます。
撮影した写真を、L判サイズや縮小して使用する場合には目立たないほどのブレですが、一部を拡大してトリミングした時にはミラーショックによるブレが目立ってしまいます。
ここでは、ミラーショックの原因と対策について解説していきます。
スポンサーリンク
ミラーショックの原因
なぜ、三脚を使用して撮影しているにもかかわらず、ブレてしまうのか。それは、一眼レフカメラの構造上起きてしまいます。
一眼レフカメラは、ファインダー越しに像が見えるように、シャッターの前にミラーがついています。
レンズを外すと、マウントの中に鏡のようなものが確認できるかと思います。それがミラーと呼ばれるものです。
このミラーが、シャッターボタンを押した時に上に跳ね上がってから、シャッターが開いてセンサーに光が届く仕組みになっています。
このミラーが跳ね上がるときに起きる、僅かな振動がミラーショックの原因になります。
このミラーショックという現象は、一眼レフカメラにしか起きず、ミラーレス一眼やコンパクトデジタルカメラ、スマホカメラにはミラーがないため起こりえません。
ミラーショックとシャッタースピード
最近の一眼レフカメラは、ミラーショックの影響が少なくなってきていますが、ゼロにはなっていません。
また、特定の機種では発生しやすくなっていたりもします。
また、ミラーショックの起こりやすい条件として、「遅めのシャッター速度」が挙げられます。
一般的には、1/2~1/100程度の遅めのシャッター速度で撮影すると起こりやすく、特に1/60前後が最も起こりやすいと言われています。
シャッター速度が速いと、ブレるよりも先に撮影が完了しているので、ミラーショックが起こっていたとしてもブレた写真にはならないということです。
室内や夕暮れ時などの薄暗い環境での撮影時は、ミラーショックに注意する必要があります。
ミラーアップ撮影
どれだけ手ブレに気をつけたり、三脚を使用しても、ミラーショックは一眼レフカメラの構造上起きてしまう現象です。
そこで、ミラーショック対策に最も効果的な撮影方法が、「ミラーアップ撮影」という機能です。
原理としては、予めミラーを上げておいてから、シャッターを切るということです。
シャッターボタンを1回押すとミラーが上がり、もう一度押すとシャッターが切れます。
当然ながら、ミラーを先に上げているのですから、シャッターボタンを1回押した状態ではファインダーにはなにも写らなくなります。
ミラーアップ撮影は、まずファインダーを覗き構図を確かめてから、シャッターボタンを押します。
そして、シャッターを切りたいタイミングを直接目視で確認してから、シャッターボタンをもう一度押すという具合になります。
よって、三脚で固定して、リレーズの使用をおすすめします。
ライブビュー撮影
ミラーショックの対策に最も効果的なミラーアップ撮影ですが、瞬間を捉える撮影には不向きであったり、そもそもエントリークラスの機種にはミラーアップ撮影自体が搭載されていない場合があります。
そういった時は、ライブビュー撮影を使えば、ミラーアップ撮影と同様の効果が期待できます。
ライブビュー撮影は、ミラーを上げて直接センサーに像を当てているので、原理的にはミラーアップ撮影とおなじになります。
スポンサーリンク